来年着工予定の新プロジェクトのスタディ模型
軽井沢南ヶ丘パッシブハウス・森のカフェ🌿に来てくださった皆様
パッシブハウスにご興味を持ってくださった皆様
こんにちは。GLOBE ARCHITECTSの菊地宏子です。
今年最後のレターとなりました。皆さんは今年1年を振り返ってどのような1年でしたか。本当に色々なことがあった1年でしたが、私にとってはこの1年はとても早く感じました。年明け早々から始まったコロナ禍により当たり前だった日常が変わり、人生初の非常事態宣言、不要な外出の禁止などなど。諸外国に比べればまだまだ自由はあったものの、世界全体が陥ったこの危機に、私自身はなるべく冷静に対応するように日々努めています。
仕事の面においては、今年はおかげさまで忙しい1年になりました。春には久しぶりにお弁当屋さん&カフェのインテリアデザインを手掛けました。また昨年より計画を進めていました軽井沢ミニマルパッシブハウスが9月に着工、来年2月の竣工予定ですが現在順調に工事が進行中です。そしてこの秋から設計がスタートした軽井沢の森のパッシブハウス(仮名)は、来年6月着工を目指して現在基本設計真っ只中です。こちらはパッシブハウスの認定を目指しています。全く異なるタイプのパッシブハウスを同時に設計・監理していますが楽しんで進めています。
2020年12月のレター🌿ぜひ最後までお付き合いください。
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◆【軽井沢南ヶ丘パッシブハウス】レター12月号CONTENTS◆
🌿~~軽井沢ミニマルパッシブハウス現場記録④断熱・気密施工~~
🌿【特別企画】🌿
軽井沢南ヶ丘パッシブハウス見学&パッシブハウスオーナー座談会インフォ
>1/7の緊急事態宣言の発令を受けて延期といたします。(2021.1.8)
🌿森のカフェ🍃のひょっこりはん🌿
🌿森のカフェ 軽井沢南ヶ丘🌿営業案内
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🌿~~軽井沢ミニマルパッシブハウス現場記録④断熱・気密施工~~
パッシブハウスは省エネルギーでありながら、健康で快適に暮らせる建築メソッドです。
建物の外周が組み上がり木製サッシ・樹脂サッシが取り付くと、といよいよ断熱施工が始まります。ピンク色見えるものが断熱材です。105角の柱間にしっかりはめ込んでいきます。今回は、工務店さんが安く手配できると言うことでパラマウント硝子工業の断熱材を採用。隙間なくきっちりと施工しています。
充填断熱材はパラマウント太陽SUNR(SRG)熱伝導率〔0.035(w/m/k)〕。
建物外部の付加断熱材は厚さ120mmで、同じ断熱材を採用。内と外で合計225mmの断熱材になります。
パラマウント硝子工業
屋根断熱材は、グラスウールを細かくしたものを吹き込む方法(ブローイング)で専門業者さんが施工しました。熱伝導率〔0.038(w/m/k)〕の断熱材の厚さは500mm。パンパンになるまでしっかり吹き込みました。壁面のグラスウールに比べてもかなり硬くしっかり入っていることを確認しました。この施工方法は板状のグラスウールを大工さんが施工する場合に比べて施工費は割高になる一方、施工は1日で完了し大工さんの手間をかけないなどメリットが多い施工方法です。
断熱材が入ると気密施工に移ります。気密施工には、INTELLOの高性能な調湿気密シートを採用。継ぎ目もしっかり専用の気密テープで隙間なく繋げていきます。
INTELLOの高性能な調湿気密シート
気密施工で一番の弱点は窓周り。まず室内の調湿気密シートと外部の防水シートはしっかりつなぎ合わせて、壁体内への湿気の侵入を完全に防ぎます。その後に、窓開口と窓の隙間に気密テープを取り付けて隙間を完全に埋めていきます。この作業は、この段階でしかできない作業ですからしっかりと行います。木製サッシの気密テープは、WURTHのVKPトリオを採用。3mmほどのテープが時間を置くと20mmほどに膨らみ隙間をきっちり埋めてくれる優れものです。
WUERTH VKPトリオ
樹脂サッシの隙間は比較的少ないので、壁面に使用したグラスウールを隙間に埋め、さらに念のために発泡性のある気密材を注入していきます。この作業を窓一つ一つに丁寧に施工するのは大変な手間となります。大工さんと現場監督さんでしっかり施工していただきました。
今回は内部で気密を取る方法を採用していますが、念の為外部もしっかりと隙間を埋めるように施工していただきました。黒い窓枠の外に見える白い物。これは、少しでも断熱性能を上げるために発泡スチロールを挟み込んでいます。隙間は木材で埋めても良いのですが、せっかくですので断熱性能のあるものを使用しました。熱伝導率〔0.05(w/m/k)〕小さな積み重ねが、暮らしてからの快適性に繋がります。
外部もくるりと防水シートで綺麗に包まれました。そしていよいよ気密試験が始まります。窓に装置を設置して、室内に空気を送り込む(加圧法)と空気を排出する(減圧法)を行います。下の写真は減圧法の様子です。
減圧法の測定結果
加圧法の測定結果
一回めの測定で素晴らしい結果が出ました。
パッシブハウス基準では、風圧が50Pa(パスカル)で漏気回数が0.6回以下という厳しい条件がありますが、減圧法/加圧法ともに余裕のクリア。建物の隙間相当面積を表すC値は0.13(減圧法)0.11(加圧法)とこれまた素晴らしい結果となりました。
みんなで思わずガッツポーズ(笑)
パッシブハウスは設計上でいくらでも性能を上げることはできます。しかしこの気密試験は現場での実測です。断熱気密をうたう工務店さんが多くいますが、意外とこの気密測定をしていなかったりします。気密はあくまでも現場ごとに実測されてわかる性能であることを忘れてはなりませんね。
大きな山をクリアしたこの日、本当にぐっすりと休むことができました。
また一歩、パッシブハウスに近づいた日でした。
次号へつづく。。。
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🌿【特別企画】 \軽井沢南ヶ丘パッシブハウスの見学&パッシブハウスオーナー座談会開催/
>1/7の緊急事態宣言の発令を受けて延期といたします。(2021.1.8)
今回は、通常行っています見学のあとにパッシブハウスオーナーの座談会を行う企画としました。
GLOBE菊地の他に、2019年に軽井沢町にエコハウスを建設された木下さんを迎えます。見学の後、実際に暮らしてみた感想やこれまでとの暮らしの違い、メリットなどについてお話しさせていただく予定です。その場で直接質問も受け付けます。外部で建物を眺めながら、森のカフェのお菓子とコーヒーをいただきつつざっくばらんにお話してみませんか。
今回は、コロナの状況もあり遠方の方、県をまたいでのご参加はご遠慮頂きます。申し訳ありません。県内に在住の方でこれからパッシブハウスやエコハウスをご検討されています方を対象に開催させていただきます。ご夫婦+お子様でご参加いただけます。密を避けるために4家族限定となります。
開催日時:2021年1月17日(日) 13:00~15:00
13:00-13:40 (見学(約20分)は2家族づつ/マスク着用)*入替制
13:50-15:00 (パッシブハウスオーナー座談会/木下さん、菊地)
開催場所:軽井沢南ヶ丘パッシブハウス/庭
参加料金:大人お一人/1,000円(ご夫婦の場合2,000円)*お子様は無料です。
《ご注意とお願い》
◎当日必ず検温をして平熱であることを確認の上ご参加をお願いいたします。当日体調が悪い方のご参加はできません。
◎当日はお子様も含めマスク着用。室内に見学の際は、手先の消毒の上、室内になるべく手を触れないようご協力ください。
◎安全面を配慮して、見学終了後は外部で座談会を行います。ご参加の方は必ず暖かい服装でご参加ください。
▽お申込み方法(お申し込み締め切りは 1/11 まで)
このアドレスに以下の内容を記載の上お申し込みください。
こちらからの返信をもちましてご予約確定とさせて頂きます。
・お名前
・人数(お子様の人数)
・メールアドレス
・携帯番号(当日の連絡先)
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▼パッシブハウスを建設希望の方の設計ご依頼について
パッシブハウスを建設予定の方で設計のご依頼やご相談などございましたらどうぞお気軽にお問い合わせくださいませ~。
上記の見学会日程以外でも対応可能ですので、メールでお申し込みください。
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🌿森のカフェ🍃のひょっこりはん🌿
森のカフェ・マスターのタカです。
年末は気忙しい気持ちになってしまいがちですが、森のカフェは2020年の営業を終えてホッと一息ついています。
2020年の年明けは張り切って1月3日からOpen!盛況で始まりました。2月に冬休みをいただきましたが、3月はコロナ旋風で再開できずに終わりました。なんとかしなきゃと4月からドライブスルー方式でテイクアウトのランチBOXと珈琲豆の販売を始めましたところ、なんとかお客さまにも来ていただけるようになり、7月から席数を減らす等のコロナ対策をしてようやくカフェ再開となりました。
コロナ、コロナで振り回されましたが、お客さまに支えられてなんとか年末を迎えられました。心より感謝しています。
この冬の軽井沢はマイナス約5度~10度の日が続いて寒さが厳しくなりました。森のカフェでほっこりしていただけるのは、なんといっても薪ストーブ。ゆらゆらと燃える薪を見ながら、あ~ゆったりするなぁとお客さまがボソッと呟いていたのをマスターは聞き逃しませんでした。庭の樹木を整理して作った自作の薪は棚で乾燥中。まだ使えません。今年はストーブ屋さんに供給していただいた間伐材を使用しています。自作の薪で暖を取れるのを楽しみにしています。
年末年始は大寒波の予報。皆様どうか暖かくして風邪などお召しになりませんように。今年は咳とかあまりできないですものね。どうか良いお年をお迎えください。
来年も森のカフェをよろしくお願いします。
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森のカフェ マスター宛にメール、インスタDM、お電話でご連絡くださいませ。
お待ちしています。(1/1~1/8までは配送はお休みです。)
森のカフェ🌿Tel.0267-46-8784
🌿森のカフェ 軽井沢南ヶ丘🌿営業案内
感染拡大防止のため、入店前の消毒、トイレ前後の消毒のご協力と、入店の際には使い捨てスリッパをご用意しております。また全ての時間帯をご予約制にして、お客様の入れ替わりの際には徹底した除菌・清掃を行っております。
詳しい営業日は、下記のHPおよびFacebookページをご覧くださいませ。
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最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
最後の写真は、10月に軽井沢ミニマルパッシブハウスの足場についたGLOBE ARCHITECTSの足場幕です。幕にはコンセプトである「森と鳥と人がいつまでも豊かに暮らせる家づくり」と入れました。そうです、実は初めて現場に足場幕を張っていただきました。(笑)
今から2年前、GLOBE ARCHITECTSの第一号の住宅建築として軽井沢南ヶ丘パッシブハウス(自邸)が竣工しました。(それまではインテリアデザイン事務所として主に施設や住宅のインテリアデザインを生業としていました。)その後、正式に建築設計事務所登録。この寒さの厳しい軽井沢の地にふさわしい高性能なパッシブハウスを建てたいという思いで、SNSでコツコツ発信を続けたり、軽井沢南ヶ丘パッシブハウスの森のカフェに来てくださったお客様にパッシブハウスの素晴らしさを伝える活動(見学会など)を行なってきました。そしてようやく今年、新たなパッシブハウスの設計を経て着工できたことは私にとって今年最大の嬉しいニュースです。パッシブハウスの素晴らしさをご理解いただきパッシブハウス建築の経験(いえ、そもそも建築設計の経験)の少ない私を信頼し依頼していただけたことに心から感謝しています。工事はこれから終盤。引き続き気を引き締めてしっかりと設計監理に努めたいと思います。
そして来年も、新たなパッシブハウスの着工が予定されています。この軽井沢の地で、省エネルギーでありながら快適で健康に暮らせるパッシブハウスがますます広がるよう今後も学びを忘れずにしっかりと精進してまいります。
今年一年このレターにお付き合いくださいましてありがとうございました。来年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
皆様 どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。
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菊地宏子
GLOBE ARCHITECTS|有限会社グローブ
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